実際に起こった事件をそのまま映画化したものや、事件や人物をモデルとして作られた映画はこれまでにたくさん作られてきました。
そのような作品を皆さんも一度は観たことがあるのではないでしょうか?
一本の映画として面白く見ごたえがあるのはもちろんのこと、本当にこんなことが起こったのか……と、思わず過去の事件に対して考えさせられますよね。
今回は、そんな実際の事件を元に作られた映画を10本おすすめしたいと思います!
エンタメ要素を加えて描いたサスペンス映画から、事件に関連する人物の日常や心情を繊細に描いたものまで、いろいろなジャンルの作品を選びました。
どの作品もモデルとなった実際の事件に対して思いを巡らせずにはいられない傑作揃いです!
実際の事件を元にしたおすすめ映画10選
15時17分、パリ行き
監督:クリント・イーストウッド
キャスト:アンソニー・サドラー、アレク・スカラトス、スペンサー・ストーン など
あらすじ
2015年8月21日、オランダのアムステルダムからフランスのパリへ向かう高速列車タリスの中で、銃で武装したイスラム過激派の男が無差別殺傷を試みる。しかし、その列車にたまたま乗り合わせていた米空軍兵のスペンサー・ストーンとオレゴン州兵のアレク・スカラトス、そして2人の友人である青年アンソニー・サドラーが男を取り押さえ、未曾有の惨事を防ぐことに成功する。映画は、幼なじみで親友同士のスペンサー、アレク、アンソニーの3人が出会った少年時代や、事件に遭遇することになるヨーロッパ旅行の過程を描きながら、ごく普通の若者たちが、いかにしてテロリストに立ち向かうことができたのかを明らかにする。(映画.comより)
2015年に起こったタリス銃乱射事件をモデルにした映画。
この映画のスゴイところは、主人公3人を演じているのが、実際に事件に遭遇した本人だということです。
つまりプロの俳優が役を演じるのではなく、本人が実際の体験を再現するという前代未聞の映画なのです!
ごくごく普通の若者たちが、楽しい旅行の最中に突然非日常的な事件に巻き込まれるという過程が、本人たちが演じることによってよりリアルに感じられます。
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ホテル・ムンバイ
監督:アンソニー・マラス
キャスト:デブ・パテル、アーミー・ハマー、ナザニン・ボニアディ など
あらすじ
2008年11月、インドを代表する五つ星ホテルが500人以上の宿泊客と従業員を人質にテロリストによって占拠された。宿泊客を逃がすために、プロとしての誇りをかけてホテルに残ったホテルマンたち。部屋に取り残された赤ちゃんを救出するため、決死の覚悟で銃弾の中へと向かう父と母。テロリストたちに支配される極限の状況下で、特殊部隊の到着まで数日という過酷な現実を前に、人々の誇りと愛に満ちあふれた脱出劇が描かれる。(映画.comより)
2008年に起こったムンバイ同時多発テロをモデルにした映画。
テロリストが立てこもるホテルの中、宿泊客を守りながらどうにか脱出を試みようとするホテル従業員が中心に描かれています。
テロリストの主観はほぼ描かれていないため、何が起こっているのかよく分からないまま突然恐ろしい殺人鬼たちと同じ建物に閉じ込められる不条理さが恐怖を煽ります。
デトロイト
監督:キャスリン・ピグロー
キャスト:ジョン・ボイエガ、ウィル・ポールター、アルジー・スミス など
あらすじ
黒人たちの不満が爆発して起こった1967年のデトロイト暴動と、その暴動の最中に殺人にまで発展した白人警官による黒人たちへの不当な尋問の様子をリアリティを追求して描いた社会派実録ドラマ。67年、夏のミシガン州デトロイト。権力や社会に対する黒人たちの不満が噴出し、暴動が発生。3日目の夜、若い黒人客たちでにぎわうアルジェ・モーテルの一室から銃声が響く。デトロイト市警やミシガン州警察、ミシガン陸軍州兵、地元の警備隊たちが、ピストルの捜索、押収のためモーテルに押しかけ、数人の白人警官が捜査手順を無視し、宿泊客たちを脅迫。誰彼構わずに自白を強要する不当な強制尋問を展開していく。(映画.comより)
1967年のデトロイト暴動の最中に起こったアルジェ・モーテル事件を題材にした作品。
この事件は殺人事件なのですが、警察の弾圧によって罪もない複数の民間人が命を落とした痛ましい事件なのです。
暴動の時代・黒人差別という背景もあり、観ている最中とにかく胃がキリキリと痛むやるせない映画ですが、目を背けてはいけない事件です。
ジェニーの記憶
監督:ジェニファー・フォックス
キャスト:ローラ・ダーン、フランセス・コンロイ、コモン など
あらすじ
ドキュメンタリー監督として活躍するジェニファーの元に、彼女の子供時代の日記を読んで困惑した様子の母親から電話がかかってくる。何のことか分からないジェニファーーだが、母に送ってもらった日記を読み返していくうちに自身の13歳の夏を回想し始める。乗馬を教えてくれたMRS.Gとランニングコーチのビル。2人と出会いひと夏を過ごした13歳のサマースクールは、彼女にとって美しい記憶だったのだが…。
監督が自身の受けた性暴力の経験を映画化した作品。
性犯罪を描いた映画はたくさんありますが、この作品は、「子供のころの経験を大人になってから改めて思い返すと実は性暴力だった」という衝撃的な体験を描いたものです。
主人公ジェニー=監督自身が抑圧されていた記憶を紐解いていくにつれて明らかになる恐ろしい事実に胸が痛くなります。
ゾディアック
監督:デヴィッド・フィンチャー
キャスト:ジェイク・ギレンホール、ロバート・ダウニー・Jr.、マーク・ラファロ など
あらすじ
実際に起こった未解決事件を題材に放つサスペンス・ドラマ。周到に用意した手掛かりで人々を翻弄する連続殺人犯“ゾディアック”に挑み、人生を狂わされた4人の男たちの姿を描き出す。(映画.comより)
60年代にアメリカで起こった有名なゾディアック事件を題材にした映画。
『セブン』『ファイト・クラブ』などのデヴィッド・フィンチャー監督によるエンターテイメントでありながら人間ドラマにも焦点を当てた物語です。
ちなみにこの事件はいまだに解決されていないんだとか。
1987、ある闘いの真実
監督:チャン・ジュナン
キャスト:キム・ユンソク、ハ・ジョンウ、ユ・ヘジン など
あらすじ
1987年1月、全斗煥大統領による軍事政権下の韓国。南営洞警察のパク所長は北分子を徹底的に排除するべく、取り調べを日ごとに激化させていた。そんな中、行き過ぎた取り調べによってソウル大学の学生が死亡してしまう。警察は隠蔽のため遺体の火葬を申請するが、違和感を抱いたチェ検事は検死解剖を命じ、拷問致死だったことが判明。さらに、政府が取り調べ担当刑事2人の逮捕だけで事件を終わらせようとしていることに気づいた新聞記者や刑務所看守らは、真実を公表するべく奔走する。また、殺された大学生の仲間たちも立ち上がり、事態は韓国全土を巻き込む民主化闘争へと展開していく。(映画.comより)
韓国の民主化闘争の時代を、実際の事件を中心に描いた作品。
キム・ユンソクやハ・ジョンウなど主役級の豪華キャストが集結し韓国で大ヒットしました。
検察や刑務所看守、ごく普通の大学生などさまざまな視点から描かれる群像劇になっています。
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冷たい熱帯魚
監督:園子温
キャスト:吹越満、でんでん、黒沢あすか など
あらすじ
小さな熱帯魚店を営む社本の家庭では、年頃の娘が若い後妻に反発しており、そのため彼と妻との関係にも亀裂が生じていた。そんなある日、彼は娘が起こした万引き事件をきっかけに同業者の村田と知り合う。やがて村田の事業を手伝うことになった社本は、いつしか恐ろしい猟奇殺人事件に巻き込まれていく。(映画.comより)
園子温監督による、埼玉愛犬家連続殺人事件を題材にした作品。
死体を浴室でバラすなど殺人の裏側がショッキングに描かれていて圧倒されます。
殺人犯を演じたでんでんの怪演は必見。
ウトヤ島、7月22日
監督:エリック・ポッペ
キャスト:アンドレア・バーンツェン、エリ・リアノン・ミュラー・オズボーン、ジェニ・スベネビク など
あらすじ
2011年7月22日にノルウェーのウトヤ島で起こった無差別銃乱射事件を、生存者の証言に基づき映画化。97分間の本編のうち、事件の発生から収束までの72分間をワンカットで描いた。(映画.comより)
2011年7月22日に起こったウトヤ島の銃乱射事件を題材にした作品。
なんと、作中で事件発生から驚異の72分ワンカットで描かれています。
このワンカットによって、リアルタイムで事件を目撃しているような、まるで自分がその場にいて事件に巻き込まれているかのようなスリルを味わうことになります。
ハン・ゴンジュ 17歳の涙
キャスト:チョン・ウヒ、チョン・インソン、キム・ソヨン など
あらすじ
普通の女子高生ハン・ゴンジュは、ある事件に巻き込まれたことをきっかけに転校を余儀なくされる。絶望の淵に立たされながらも、新しい友だちとの触れあいや大好きな歌を通して少しずつ笑顔を取り戻していくゴンジュだったが、前の学校の親たちが彼女の前に現われたことで状況が一変する。(映画.comより)
韓国で起こった蜜陽女子中学生集団性暴行事件をモデルにした作品。
性犯罪の被害者となった少女のその後を中心に描かれています。
少しずつ日常を取り戻し始めた被害者があるきっかけによってまた苦しめられる様子を描き、性被害者の傷や苦しみの根深さを思い知らされます。
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テッド・バンディ
監督:ジョー・バーリンジャー
キャスト:ザック・エフロン、リリー・コリンズ、カヤ・スコデラーリオ など
あらすじ
1969年、ワシントン州シアトル。とあるバーで出会い恋に落ちたテッド・バンディとシングルマザーのリズは、リズの幼い娘モリーとともに3人で幸福な家庭生活を築いていた。しかし、ある時、信号無視で警官に止められたテッドは、車の後部座席に積んであった疑わしい道具袋の存在から、誘拐未遂事件の容疑で逮捕されてしまう。また、その前年にも女性の誘拐事件が起きており、目撃された犯人らしき男はテッドと同じフォルクスワーゲンに乗り、その似顔絵はテッドの顔に酷似していた。(映画.comより)
実在したシリアルキラーセオドア・ロバート・バンディの半生を描いた作品。
30人以上を惨殺した連続殺人鬼テッド・バンディですが、美貌とカリスマ性を持ち世間を翻弄した人物だそうです。
彼を信じたい恋人の目線で物語が進んでいくので、「本当にこの人が……?」と、まさに観客も翻弄される気分です。