2021年10月15日公開予定の映画『DUNE/デューン 砂の惑星』が話題になっています。
私もずっと前から楽しみにしていました。
「SF映画が好きだから観たい!」「ティモシー・シャラメのファンだから観たい!」「原作小説が好きだから観たい!」「なんかよく知らないけど面白そうだから観たい!」と色々な人がいるのではないかと思いますが、いち映画ファンとして言わせてください。
この作品を観る前に予習しておいてほしい映画があります!!
DUNE(デューン)とは?
まずDUNEのことをよく知らない方のために。
DUNEとは、フランク・ハーバード作のSF小説シリーズのことです。
シリーズは全6作あり、そのうち第1作目の『砂の惑星』がすでに何度か映像化されています。
今回公開されるドゥニ・ヴィルヌーヴ監督の映画は2部作構成なのですが、2部作でこのDUNEシリーズ6作をすべて網羅するようです。
実は私も原作小説は未読なのですが、内容としては「砂で覆われた惑星を舞台に、宇宙を支配するスパイスをめぐる一族同士の戦いを描いた物語」という感じです。(めちゃくちゃざっくり)
原作小説が6作にまで及ぶこともあり、かなり壮大なスケールの物語が展開されます。
『DUNE/デューン 砂の惑星』を観る前に予習するべき2つの映画
さて、私が『DUNE/デューン 砂の惑星』を観に行く前にぜひ観ておいてほしい映画、それがこの2本です!
- 『ホドロフスキーのDUNE』2013年、フランク・パヴィッチ監督
- 『デューン 砂の惑星』1984年、デヴィッド・リンチ監督
簡単に言うと、1つ目『ホドロフスキーのDUNE』は、映画監督アレハンドロ・ホドロフスキーが小説『DUNE』を映画化しようとした過程を記したドキュメンタリー映画。
2つ目『デューン 砂の惑星』は、デヴィッド・リンチ監督による、小説『DUNE』の初めての映画化作品です。
『ホドロフスキーのDUNE』はどんな映画?
実は、2021年に公開する『DUNE/デューン 砂の惑星』、1984年に公開された『デューン/砂の惑星』よりも以前にDUNEを映画化しようとしたのが、アレハンドロ・ホドロフスキー監督でした。
豪華すぎるキャストやスタッフを揃えて撮影一歩手前まで行ったにもかかわらず、この作品の製作は中止されてしまいます。
なぜ企画は頓挫したのか?製作にいたるまでにどんなことがあったのか?
それを、当時のスタッフやホドロフスキー自身へのインタビューによって明らかにしていく……というドキュメンタリー映画です。
まずこのホドロフスキー監督のDUNEに対する熱量がスゴイ。この企画書の分厚さ。
ホドロフスキーはこの映画を完璧に作り上げるために、「美術はあの人に任せたい!この役はあの人に演じてほしい!」とそうそうたるメンバー【魂の戦士たち】を集めていくわけですが、その仲間集めの過程がアツい。
ひとりひとりとのエピソードも、いやホントかよ!?と思うくらいロマンチックでウィットに富んだものばかりでワクワクします。
ですが、結局その映画は製作中止になってしまいます。その理由はこのドキュメンタリーを観ればわかります。
結局そのあとDUNE映画化を実現したのはデヴィッド・リンチ監督。
それが1984年公開の『デューン 砂の惑星』です。
『ホドロフスキーのDUNE』私の感想はこちら。(ネタバレ注意)
『デューン 砂の惑星』(1984)はどんな映画?
前述のとおり、この映画はデヴィッド・リンチ監督が1984年に小説『DUNE』の1作目である『砂の惑星』を実写映画化したものです。
ちなみに評価はと言うと……あまり思わしくありませんでした。
小説自体がかなりスケールが大きい物語ということもあり、うまくまとめあげることができず、原作ファンや原作者からも不評だったそうです。
ちなみに『ホドロフスキーのDUNE』では、「自分が成し遂げられなかったDUNEの映画化を別の人間が実現し、ショックのあまり放心状態で観に行ったが、あまりにヒドい出来だったので逆に嬉しくなった」というエピソードが語られています(笑)
私は個人的にこの作品嫌いじゃないんですけどね……。
確かにまとまりがなくて、正直ストーリーも世界観も全然理解できないんですが、(笑)
デヴィッド・リンチならではの悪趣味描写が効いてて一部の人からは人気があったりもします。
2021年公開『DUNE』をもっと楽しめるワケ
なぜ私がこの2つの作品をおすすめしたいのか、なぜこの2作品を観ると最新作『DUNE』をもっと楽しめるのか。
その理由は2つあります。
まずは、DUNE映画化にあたっての紆余曲折の歴史について知ることができるという点。
ホドロフスキーが映画化を断念し、リンチによって実現した映画は失敗に終わり、まだ「DUNEの映画化を成功させた」と言える人はいないわけです。
満を持して公開される今回のヴィルヌーヴ版がどれだけの待望を背負って公開される作品なのか、実感してほしいのです。
そして2つ目。予備作を観ておくことで、DUNEの世界観やストーリーをあらかじめ頭の中に入れておくことができることです。
DUNEはかなり壮大な物語である上、専門的な用語や固有名詞がたくさん登場するので複雑です。
といっても『ホドロフスキーのDUNE』では大筋しか触れていないし、リンチ版『デューン』でも正直世界観が分かりにくいのですが、(笑)
なんとなくでも「こういう物語なんだな~」「こういう勢力図なんだな~」というのを掴んでおくだけでも圧倒的に観やすいと思います。ヴィルヌーヴ版は155分もありますので。
観る順番は?
個人的には、
- 『ホドロフスキーのDUNE』
- 『デューン 砂の惑星』(1984年 デヴィッド・リンチ版)
- 『DUNE/デューン 砂の惑星』(2021年 ドゥニ・ヴィルヌーヴ版)
の順番で観るのがおすすめかなあと思います。
①でまずはDUNEの映画化にまつわる歴史や流れを知ることができます。
あとホドロフスキー監督のDUNEに対する熱量がハンパないので、この映画を観れば必ず「『DUNE』を観てみたい!」という気持ちになります(笑)
そして①の作中でも言及された最初の映画化作品②を観てから、最新作③を観て比べてみるのがいいんじゃないでしょうか。
あくまでもオススメなので、この順番に観なくても何の問題もありませんよ!
『デューン/砂の惑星』『ホドロフスキーのDUNE』をVODで観る
最後に、今回ご紹介したデヴィッド・リンチ版『デューン/砂の惑星』と『ホドロフスキーのDUNE』を配信している動画配信サービスをそれぞれまとめておきます。
⇒『デューン/砂の惑星』(1984)を配信しているVOD一覧
2021年9月現在、この2作品両方を観ることができるのはU-NEXT、Amazonプライムです。
特にU-NEXTは無料お試し期間を使えば追加料金なしで観ることができるのでおすすめです!
最後に、私が気になるのはこの2点。
ヴィルヌーヴ版『DUNE』では、2部作で壮大な物語を描き切れているのか?
ヴィルヌーヴ版『DUNE』を観てホドロフスキーは何を思うのだろうか?
とにかく公開が楽しみです!