『ドクロゲキ2』感想(ネタバレあり)

『ドクロゲキ2』のあらすじと感想をまとめました。

『ドクロゲキ2』作品情報

『ドクロゲキ2』

2012年/48分
監督:三木康一郎
キャスト:戸松遥、高梨臨、野間口徹 など

大人気オムニバスホラー『トリハダ』の姉妹番組『ドクロゲキ 後味の悪いサスペンス』の第2弾。
『トリハダ』シリーズや『ドクロゲキ』1作目と同じく、各短編エピソードの間にサイドストーリーが挟まれ、最後にそのストーリーの真実が明らかになるという構成です。

ホラー色の強い『トリハダ』に対して、『ドクロゲキ』は、観終わった後に気分が沈むような「後味の悪さ」をテーマにした作品を集めています。

 

『ドクロゲキ2』感想(ネタバレあり)

テツコ
『ドクロゲキ2』の各エピソードの結末までのあらすじと私の感想をまとめました。
感想にもネタバレが含まれるのでご注意ください!

サイドストーリー




ある団地の最上階、脚立に乗った子供がベランダから下を見下ろす。
画面が変わり、女性(戸松遥)が自分の夫と思わしき男性との馴れ初めを語り始める……。

馴れ初めと現在に至るまでを語り続ける女性。どうやら女性はもうこの世にいないらしい。
団地のベランダで脚立から下を見下ろしている子供はこの女性の息子だった。
見下ろす先には、女性の死体。息子が母親をベランダから突き落としたのだった。
この事件について、「まだ5歳なのに、よっぽど追い込まれていたのかしら」と噂する主婦たち。
息子は母親から虐待を受けていたのだった。


『ドクロゲキ』1作目のサイドストーリーは、幸せそうに見える現在から過去を少しずつさかのぼっていき、真実が明らかになるという構成でなかなか面白かったのですが。
それに比べると本作は、「真っ白な背景(おそらくこの世ではない場所)で、女性が夫や息子への想いを淡々と話し続ける」だけだったのがちょっと見ごたえなかったですね。
これまでの『トリハダ』シリーズのサイドストーリーと比べてもかなり異色だったと思います。

 

第一話「信じる。」




市役所に勤めるみすず(高梨臨)の元には顔なじみの老婆がいた。みすずの趣味はタロット占いで、老婆に頼まれて占うこともあった。ある日、老婆は孫の手術に際し役立てられることはないか占ってくれとみすずに頼む。思わぬ重い依頼に困惑しながらも、みすずはタロット占いを行い「身の回りから白い物捨てろ」という結果を告げるが……。

ある日、車いすに乗って娘に付き添われながら老婆がみすずの元を訪れる。
病気だった孫が退院できたとお礼を告げる老婆。安心するみすずだったが、サングラスにマスク姿の老婆を心配する。
サングラスをはずすと、老婆の両目は潰れていた。
白いものを捨てろと言われた老婆は、自分の目玉と歯をも手放したのだった。


まず市役所でタロット占いなんてしてクレーム入らないのか?って思いましたが……笑
目玉くりぬいたおばあさんのビジュアルがなかなかパンチあるエピソードでした。
「あなたの言うとおりにしたら助かったのよ」というおばあさんに、「ああ、そんなこと言いましたね、私」と軽い気持ちで答えるみすずと、すべてを把握した上でみすずのことをただ冷たくにらみつける娘の姿が何とも言えない後味の悪さでした。

 

第二話「知る。」




小学校の教師(野間口徹)は担任のクラスで持ち物検査を始める。すると、ある女子生徒がカバンを持って教室から出ていこうとする。何かを隠し持っていそうな彼女を引き留めカバンの中身を見ると……。

カバンの中身を見て驚愕する教師。女子生徒は、「肩こりがひどいので……」と弁明する。
カバンを没収し、後で職員室に来るように告げる教師。
持ち物検査を終えて授業を始めた教室。教師は先ほどの女児生徒を見つめ、にやり笑う。
没収したカバンからはコンセントが覗いていた。


あまり直接的なネタバラシはされていないので、「えっ?終わり?」となってしまったのが正直なところ。
「肩こり」というワードとコンセントで、あるアイテムが想像できます。
小学生と性というなかなかタブーなところを攻めた感じと、そういう気まずい雰囲気で終わるのかと思いきや、教師の意味深なにやり顔で「ああ、そっちにいくのか……」という絶望感もあります。

 

第三話「変わる。」




とある日の夏休み。宿題も終わらない中、小学生の賢也は友人ののコウイチと遊びに出かけた。その道中、自転車で競走しようと半ば無理矢理走らせるとコウイチが目の前でトラックに撥ねられて亡くなってしまう。後悔の念と罪悪感に苛まれる賢也だが、コウイチの父親は賢也を慰め、コウイチの部屋の物から好きなものを形見として持って行ってやって欲しいと話し……。

コウイチの部屋を悲しそうに見渡す賢也。
彼が形見として持って帰ったのは、「夏休みの宿題」だった。
解答済のワークブックの名前をコウイチから賢也に書き換え、完成していた自由工作の作品にも自分の名札を貼る。
満足そうに微笑む賢也。


これは個人的に結構好き。
友達が目の前で死んで、しかも自分が原因を作ってしまったことに対する罪悪感もあるにも関わらず、「好きなもの」と言われて思い出の品ではなく自分にとって利のあるものを選ぶというのが後味悪いですね。思わず笑っちゃったけど。
しかも友達の死をまったく悲しんでいないというサイコパスだったらまだ筋が通る(?)んですが、友達の死を心から悲しんでいながら自分の夏休みの宿題を優先させるという、子供の純粋さを怖さとして描いているところが良いですね。

 

第四話「さぐる。」




2対2の合コンが終わり、男性側が会計を払おうとするとその料金は6万円と高額であることに驚く。当初は見栄を張ろうと男性陣で払おうとした米山達だったが、2件目の誘いを断った女性陣が帰り支度をすると、男性は女子も含めた4人で割り勘にしようと話し始める。

男性側は初めからお金を出す気がない女性たちを罵り、女性側はケチな男性たちを罵る。
店員やほかの客にも注目され、合コンは最悪な空気で解散になる。
少し離れた席でその様子を見つめていた、同じような男女2対2のテーブル。
そこに会計伝票が運ばれてくる。


後味悪いというか、気まずいというか、めんどくさいというか。
伝票が運ばれてきた途端に女性2人が携帯をいじり出す(会計に参加しない意思表示)とか、「いいんですか?払いますよお~」と財布を出すポーズだけするとか、「暗黙の了解で押し通そうとする女性と、それに絶対応じない男性」の攻防戦が気まずいながらもリアルで面白いです。
オチは別の合コン組が、「俺たちはどうする……?」というムードで終わってましたが、なんというか……これ『ドクロゲキ』でやるようなエピソードか?とは思いました。

 

第五話「隠す。」




女性用公衆トイレでの順番待ち。個室に入っている女子高生はトイレの中から順番を待つ女性たちにナプキン持っていないかと尋ねる。快く渡した女性だが、女子高生はその後も何度もナプキンを要求し……。

最初は快く渡していた女性たちだったが、「もっと欲しい」と言い続ける女子高生に違和感を抱く。
そして、個室の床からしたたる血に気づいて悲鳴をあげる。
それでも「もっとありませんか?」と言う女子高生の顔は血で汚れていた。
個室の扉からは、血だまりと人間の足がのぞいていた……。


何度もナプキンを要求することで「何か普通じゃないことが起こってる」というムードが漂って不気味でしたが、トイレに死体はちょっとやりすぎな気が……。まずナプキンでどうやって死体処理しようとしてたの?笑
個人的には、女子高生がトイレで出産してたってオチの方が、後味の悪さもリアリティもあって良かったのにな~って思います。

 

第六話「触れる。」




出産間近の主婦は夫の部屋から人妻物のアダルトビデオや雑誌を見つける。その後、夫のカバンから人妻援助交際サイトの登録証も見つける。主婦は自分の身元を隠しながら同じパソコンで夫とやり取りを始める……。

「ひとみ」という名前で夫とやりとりを続ける主婦。
自分の妻だということにまったく気づかずに肉体関係を要求してくる夫に対して失望し、バカバカしくなってくる。
そんなある日、興味本位でやりとりしていたほかのユーザーから、アダルト雑誌のモデルの代役をやってくれないかと頼まれる。
その雑誌とは、夫の部屋から見つかった人妻もののアダルト雑誌だった。
後日、自分が出演した雑誌の付録DVDを知らずに視聴する夫の姿を見て、満足げにほほ笑む主婦。


これはどんな修羅場にオチるんだろうと思ったら、意外な結末だったのでちょっと拍子抜け。
何も解決してはいないけれど、妻だけが真実を知っている小さな復讐が完了したという感じです。
結局夫は浮気はしたことなかったみたいだし、自分のところに戻って来てくれてる(?)し、ある意味ハッピーエンド。

 

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