これだけは絶対観てほしい吉田恵輔監督のおすすめ映画

2021年、『BLUE』『空白』と立て続けに公開された作品がどちらも高評価を獲得している吉田恵輔監督
以前からヒット作を生み出してきた監督ではありますが、この2本の勢いをキッカケに吉田監督に興味を持った人も多いのではないでしょうか。

今回は、吉田恵輔ファンの目線から、「ぜひこれを観てほしい!」というおすすめ映画を5本に絞って紹介したいと思います。

吉田恵輔作品のここに注目

個人的に思う、吉田恵輔作品の魅力ポイントを2つにまとめてみました。

完璧な脚本力

吉田監督は自身の監督作品のすべてで脚本に携わっていますが、無駄がなくてテンポが良く、物語を深く展開する脚本力が素晴らしいです。

オリジナル脚本の作品が多い中、漫画などの原作を実写化したものもありますが、どれも原作のストーリーをうまくアレンジして映画だけの持ち味を生かした唯一無二の作品に仕上がっています。

また、すべてというわけではありませんが、前半と後半で大きくテイストが変わる構成の作品が多いです。
(今回紹介する中だと『机のなかみ』『さんかく』『ヒメアノ~ル』がその傾向が強いです。)
観ているうちに、「えっ、そっちに転がっていくの!?」と思わずうろたえてしまうようなストーリー展開も吉田監督の脚本の魅力のひとつです。

人間に対する観察眼

吉田監督は、人間の内面にあるちょっとした負の部分を表現するのがそれはそれは上手な監督です。

人間の持っているイヤな部分を、それもあからさまに描くのではなく、登場人物の心情をジワジワと観客に悟らせるような描き方をしてくるので本っ当に嫌な気持ちになります。(誉め言葉)
登場人物のどうしようもなくカッコ悪い部分を自分に重ねてしまったり、他人から間接的に向けられる悪意のようなものを感じ取ってしまったり、気まずくなったり、観てて「うわぁ……」となることが多いです。

こういう人間の嫌なところや、心の奥底にあるような感情をよく見抜いている監督だなあと感じます。

 

吉田恵輔監督のおすすめ作品

私が個人的におすすめしたい吉田恵輔作品を、初期の作品から比較的に最近の作品までピックアップしました。
もちろんこのほかの作品も傑作ですが、上記の吉田監督の魅力を特に感じられる特に素晴らしい作品です。

机のなかみ

キャスト:あべこうじ、鈴木美生、坂本爽 など

あらすじ
大学受験を控える高校生・望の家庭教師を引きうけたフリーターの馬場。同せい中の彼女がいるにもかかわらず、望の可憐さにすっかり心を奪われてしまった馬場は、あの手この手で彼女の気を引こうとする。一方、馬場のアタックをかわしながら猛勉強を続ける望には、ある秘密があった……。(映画.comより)

女子高生とその家庭教師が中心人物で、前半は家庭教師の視点から、後半は女子高生の視点から描かれた、吉田恵輔監督の中でも二部構成がはっきりとした作品。
一見すると青春ラブコメという感じなのですが、恋愛におけるちょっと痛い感情や人間関係のモヤモヤが描かれ、かなり心にきます。
最終的にいろいろな矢印が入り乱れるカオスな展開に発展するストーリーも見どころ。

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さんかく

キャスト:高岡蒼佑、田畑智子、小野恵令奈 など

あらすじ
百瀬と佳代のカップルは、お互いに説明できないわだかまりを抱えたまま、だらだらと同せい生活を続けていた。そんなある日、佳代の中学生の妹・桃が夏休みの間を利用して2人の家に転がり込んでくる。桃の大人びた素振りに動揺する百瀬に対し、佳代は日に日に不信感を募らせていく。(映画.comより)

彼氏と彼女、そして彼女の妹という3人の男女が繰り広げる、いわゆる三角関係もの。
前半のゆるっとしたラブコメから、だんだんシビアなテイストに変わっていきます。
思わず背筋が凍るような余韻を残す意味深なラストシーンが忘れられません。

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ばしゃ馬さんとビッグマウス

キャスト:麻生久美子、安田章大、岡田義徳 など

あらすじ
夢を捨てきれない男女の葛藤や挫折、恋模様をユーモラスに描いたヒューマンコメディ。脚本家を目指す34歳の馬淵みち代は、学生時代からコンクールに作品を応募し続けているが落選ばかり。「私、こんなに頑張っているのに」が口癖で、周囲からは「ばしゃ馬さん」と呼ばれている。同じく脚本家志望の28歳・天童義美は、「俺が本気を出したらスゴイで」と言いながらも一度も作品を書いたことがなく、他人の作品を酷評してばかり。そんな「ビッグマウス」の天童が、年上で性格も真逆な馬淵に恋してしまったことから起こる騒動を描く。(映画.comより)

脚本家の夢を捨てきれないけどなかなか先が見えない男女を主人公に描かれる物語です。
ほのぼのヒューマンコメディなのかなと思いきやなかなか辛辣な作品で、思わぬ傷を負わされます(笑)
あまり俳優のイメージがない関ジャニの安田章大が、薄っぺらくて軽い感じの主人公のイタさを見事に表現しててなかなかハマってます。

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ヒメアノ~ル

キャスト:森田剛、濱田岳、佐津川愛美 など

あらすじ
平凡な毎日に焦りを感じながら、ビルの清掃のパートタイマーとして働いている岡田は、同僚の安藤から思いを寄せるカフェの店員ユカとの恋のキューピッド役を頼まれる。ユカが働くカフェで、高校時代に過酷ないじめに遭っていた同級生の森田正一と再会する岡田だったが、ユカから彼女が森田にストーキングをされている事実を知らされる。(映画.comより)

古谷実の漫画を実写化した作品で、大筋は原作通りなのですが、かなり雰囲気は違います。
濱田岳やムロツヨシの醸し出す空気感にクスッとなるシーンも多いのに、後半からは背筋も凍る展開に。
素晴らしすぎる森田剛のサイコパス殺人鬼の演技と、これでもかという容赦ないバイオレンス描写が見どころです。

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犬猿

キャスト:窪田正孝、新井浩文、江上敬子 など

あらすじ
印刷会社の営業マンとして働く真面目な青年・金山和成は、乱暴でトラブルばかり起こす兄・卓司の存在を恐れていた。そんな和成に思いを寄せる幾野由利亜は、容姿は悪いが仕事ができ、家業の印刷工場をテキパキと切り盛りしている。一方、由利亜の妹・真子は美人だけど要領が悪く、印刷工場を手伝いながら芸能活動に励んでいる。そんな相性の悪い2組の兄弟姉妹が、それまで互いに対して抱えてきた複雑な感情をついに爆発させ……。(映画.comより)

新井浩文・窪田正孝兄弟とニッチェ江上・筧美和子姉妹の4人の登場人物を中心に描いた群像劇テイストの作品。
タイトル通り、人間関係の中で抱く他人に対する嫌悪感やいらだち、悪意などがかなりリアルに描き出されていたたまれない気持ちになります。
主演の4人もすごく役にハマっていて、それぞれのキャラクターの個性が完璧に表現されています。

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