ブラックコメディ(ブラックユーモア)とは、生死・差別・政治・グロなど、倫理的にタブーとされる事柄についての描写を用いたコメディのこと。
内容が内容なだけに、「え、笑っていいのかな……」という戸惑いとともに生じてしまう笑いがクセになってしまいますよね。
言ってしまえば不謹慎で悪趣味なのですが、タブーだと言われると覗いてみたくなるのが人間。
今回は、そんなブラックコメディを描いた映画をご紹介します!
ブラックコメディ映画おすすめ10選
サンキュー・スモーキング
監督:ジェイソン・ライトマン
キャスト:アーロン・エッカート、マリア・ベロ、キャメロン・ブライト など
あらすじ
「情報操作の王」と異名をとるタバコ団体のPRマンのニックは愛煙家の自由を守るべく、日頃から得意の話術を使って嫌煙家からのバッシングをかわしていたが、ある日突然、絶体絶命のピンチに直面する……。(映画.comより)
タバコのイメージアップのために奮闘する男が主人公。
この人が話術の天才で、無茶苦茶ながらも丸め込まれていく様子は見てて気持ちいい。
軽快に進んでいくコメディですが、風刺がこめられたブラックユーモアになってます。
また、タバコを題材にした映画でありながら、実は主人公含め喫煙するシーンが一切出てこないというのだからビックリ。
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トロピック・サンダー 史上最低の作戦
監督:ベン・スティラー
キャスト:ベン・スティラー、ジャック・ブラック、ロバート・ダウニー・Jr. など
あらすじ
東南アジアで撮影中の戦争映画「トロピック・サンダー」は主演スター3人のわがままにより撮影が大幅に遅延。業を煮やした監督のコックバーンはスター3人を含むメインキャストを騙してジャングル奥地に連行し、ゲリラ撮影を敢行するが……。(映画.comより)
戦争映画のパロディをふんだんに盛り込みつつも、終始おバカなノリが続くコメディ映画。
ところどころ、笑っていいのか分からない倫理的にアウトな表現があったり、それまでのノリをひっくり返すように唐突にグロいシーンが入ってきたりします(笑)
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未来世紀ブラジル
監督:テリー・ギリアム
キャスト:ジョナサン・プライス、ロバート・デ・ニーロ、キャサリン・ヘルモンド など
リイ・バロッソ作曲の“ブラジル”がバックに流れる近未来ブラック・コメディ。
近未来のディストピアを鮮烈な映像表現でシュールに描いたぶっ飛びダークファンタジー。
とにかく映像と音楽に圧倒されます。
管理社会に対する風刺が描かれていて、25年前にこれが作られたということを思うといろいろ考えてしまいますね……。
レッド・ファミリー
監督:イ・ジュヒョン
キャスト:キム・ユミ、チョン・ウ、ソン・ビョンホ など
あらすじ
幸せな暮らしを送っているかに見えるが実は北朝鮮工作員による擬似家族と、その隣人であるケンカの絶えない韓国人家族。対照的な2つの家族の交流をコミカルかつスリリングに描くことで、現在の朝鮮半島における問題を浮き彫りにしていく。(映画.comより)
これまで韓国で数々の問題作を撮ってきたキム・ギドク監督が脚本を担当。
スパイによる疑似家族が主人公の一見ライトな作風ですが、国家の問題をストレートに描いた風刺作品です。
ホット・ファズ 俺たちスーパーポリスメン!
監督:エドガー・ライト
キャスト:サイモン・ペッグ、ニック・フロスト、ジム・ブロードベント など
あらすじ
平和な田舎に左遷されたエリート警官エンジェルは、そこで起こった不気味で残虐な事件の捜査を開始。しかし、村人たちは揃って能天気で、どこかおかしく……。
(映画.comより)
『ショーン・オブ・ザ・デッド』『ワールズ・エンド』でもタッグを組んだエドガーライト×サイモン・ペッグ×ニック・フロスト。
この3人が揃えば面白くないわけがない。
最高にテンポが良く頭を空っぽにして笑える映画なのですが、容赦ないグロシーンが唐突に現れたりします(笑)
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ほえる犬は噛まない
監督:ポン・ジュノ
キャスト:イ・ソンジェ、ペ・ドゥナ、キム・ホジョン など
あらすじ
ユンジュ(イ・ソンジェ)は、出産間近の年上の妻ウンシル(キム・ホジョン)に養われている、ヒモ同然の大学講師。最近、マンション内に響き渡る犬の鳴き声に神経過敏になっていた。ある日、となりのドアの前にチョコンと座る犬を見つけて、ついふらふらと地下室へ閉じ込めてしまう…。(映画.comより)
『パラサイト 半地下の家族』が世界中で大ヒットしたポン・ジュノ監督の長編デビュー作。
可愛いワンちゃんがたくさん出てくる映画なのに、ちっとも癒されません。むしろ犬が画面に映るたびにハラハラしてしまいます。犬好きな方は観ないほうがいいです。
動物をそんな扱い方しちゃっていいの?というシーンがたくさん出てきますが、ワンちゃんの安全にはちゃんと配慮して撮影されているそうです……。
M★A★S★H マッシュ
監督:ロバート・アルトマン
キャスト:ロバート・デュバル、ドナルド・サザーランド、エリオット、グールド など
あらすじ
1950年代、朝鮮戦争のさなか。第4077MASH(移動野戦外科病院)に、3人の外科医、ホークアイ、デューク、トラッパーが赴任。彼らはいずれも名医だったが、平気で軍規を無視し、とんでもない悪戯を繰り返す。やがてその行状を将軍が知るが……。軍医たちが巻き起こす騒動を描き、戦争や体制を風刺したブラック・コメディ。(映画.comより)
戦争映画をコメディタッチで描いたという珍しい作品。
朝鮮戦争下の軍医が徹底的にふざけまくるドタバタコメディです。
戦争という悲惨で過酷な状況を力づくで笑い飛ばすようなパワフルな映画です。
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博士の異常な愛情
監督:スタンリー・キューブリック
キャスト:ピーター・セーラーズ、ジョージ・C・スコット、スターリング・ヘイドン など
あらすじ
東西冷戦の最中に撮影され、戦争が世界の破滅を導くことをシニカルに描いたブラックコメディ。米国空軍のリッパー将軍の指示でソ連に向けて核攻撃が開始される。英国空軍のマンドレーク大佐が爆撃機の撤退を説得する一方、ソ連は核爆発によって誘発される地球破壊装置の存在を明らかにする。(映画.comより)
正式タイトルは、『博士の異常な愛情 または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか』(長い。)
戦争!核兵器!人類滅亡!という笑えないテーマを徹底的にコメディで描いています。
偉い人物として描かれている人が全員異常者でマヌケなのも、皮肉が聞いてて好き。
ウルフ・オブ・ウォールストリート
監督:マーティン・スコセッシ
キャスト:レオナルド・ディカプリオ、ジョナ・ヒル、マーゴット・ロビー など
あらすじ
22歳でウォール街の投資銀行へ飛び込んだジョーダンは、学歴もコネも経験もなかったが、誰も思いつかない斬新な発想と巧みな話術で瞬く間になりあがっていく。26歳で証券会社を設立し、年収4900万ドルを稼ぐようになったジョーダンは、常識外れな金遣いの粗さで世間を驚かせる。全てを手に入れ「ウォール街のウルフ」と呼ばれるようになったジョーダンだったが、その行く末には想像を絶する破滅が待ち受けていた。(映画.comより)
セールスマンの主人公の成り上がりと転落を描いた物語。
とにかく金!クスリ!女!というぶっ飛んだ世界観が延々繰り返されます。
プラスなのかマイナスなのか分からないエネルギーに満ち溢れた作品ですが、後半はだんだん恐ろしい展開になっていくのも見どころ。
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帰ってきたヒトラー
監督:デビッド・ベンド
キャスト:オリバー・マスッチ、ファビアン・ブッシュ、クリストフ・マリア・ヘルプスト など
あらすじ
服装も顔もヒトラーにそっくりの男がリストラされたテレビマンによって見出され、テレビに出演させられるハメになった。男は戸惑いながらも、カメラの前で堂々と過激な演説を繰り出し、視聴者はその演説に度肝を抜かれる。かつてのヒトラーを模した完成度の高い芸として人々に認知された男は、モノマネ芸人として人気を博していくが、男の正体は1945年から21世紀にタイムスリップしたヒトラー本人だった。(映画.comより)
死んだはずのヒトラーが現代に蘇ったら……という政治的ファンタジー映画。
ヒトラーを笑いのネタにしてしまっている時点でなかなかヒヤヒヤする映画ですが、前半のコメディ調から一転、後半はだんだん笑えなくなってきます。
ドキュメンタリー調で撮られていてリアルに想像できてしまうところも面白い。