2019年のカンヌ国際映画祭のパルムドールがポン・ジュノ監督の『パラサイト 半地下の家族』(邦題)に決まりました!!
これは個人的に大事件だと思います。
これまで何度かカンヌで上映されてきたポン・ジュノ作品が満を持してパルムドールを獲ったということは感慨深いですが、何よりパルムドールの受賞は韓国映画初の快挙。これは本当にスゴイこと!
ポン・ジュノが10年ぶりに韓国で製作した映画ということで、もうこの不穏すぎるポスタービジュアルを観たときから
と期待しまくり&公開が楽しみすぎるだけに、今回のパルムドール受賞はポン・ジュノファンとしてすっっごく嬉しいです!!
ということで、今回はポン・ジュノ大ファンのテツコから、過去のポン・ジュノ映画をすべてご紹介したいと思います。
ポン・ジュノの過去作で予習してぜひ『パラサイト』観に行きましょう!!
『パラサイト』鑑賞済みの方はこの記事を見て
『パラサイト 半地下の家族』を観てからポン・ジュノ監督が気になっている方に向けて、こちらの記事を書きました。
『パラサイト』の魅力を3つに絞り、どのポイントに惹かれたかによっておすすめ作品を分けています!
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『パラサイト 半地下の家族』にハマった人必見!タイプ別おすすめポン・ジュノ作品
※この記事は『パラサイト 半地下の家族』の軽いネタバレを含んでいます! 関連記事 ⇒韓国映画を観るのに一番おすすめの動画配信サービスは? 2019年のカンヌ国際映画祭で韓国映画初となるパルムドール(グ ...
韓国の奇才!ポン・ジュノ映画 全7作
ほえる犬は噛まない
2000年/110分
出演:イ・ソンジェ、ペ・ドゥナ など
あらすじ
ユンジュは、出産間近の年上の妻ウンシルに養われている、ヒモ同然の大学講師。最近、マンション内に響き渡る犬の鳴き声に神経過敏になっていた。ある日、となりのドアの前にチョコンと座る犬を見つけて、ついふらふらと地下室へ閉じ込めてしまう…。
ポン・ジュノの長編デビュー作!
犬を疎ましく思う男と、犬を救おうという正義感で奮闘する女の、団地を舞台にしたブラックコメディです。
この映画ははっきり言ってヤバイです。
『パラサイト』もブラックコメディ寄りな作品ですが、正直こっちの方が5億倍ぶっとんでヤバイ映画です。
笑えるシーンも多いですが、ドン引きするシーンもかなり多い。
犬好きの方は覚悟して観てください。笑
いったいどうやったらこんな画を思いつくの!?という印象的なシーンが満載なところも魅力的。
あと、ポン・ジュノといえば跳び蹴りなんですが、第1作のこの作品から最高の跳び蹴りを披露してくれます。
私的には、永遠のポン・ジュノ作品ナンバーワン。
殺人の追憶
2003年/130分
出演:ソン・ガンホ、キム・サンギョン など
あらすじ
ソウル近郊の農村で、同じ手口による若い女性の惨殺事件が連続して発生。地元の刑事パク・トゥマンとソウル市警から派遣された刑事ソ・テユンは対立しながらも捜査を続け、有力な容疑者を捕らえるのだが。
実際にあった連続殺人事件を題材にした作品。
韓国の田舎というだけで不穏さが立ちこめてますが、エンタメ作品としてもよくできた作品で、ポン・ジュノの中では一番観やすいと思います。
田舎の暴君刑事と、ソウルから来たエリート刑事のコンビが事件を解決する……という一見軽快に感じますがエグさも満載の作品。
ただ、クスッと笑えるコメディ要素もあるのがポン・ジュノ。もちろん跳び蹴りも。
主演は、このあともポン・ジュノ作品に出演し続けるソン・ガンホ。
今回パルムドールを獲った『パラサイト』もソン・ガンホ主演ということで、目頭が熱くなります……。
グエムル 漢江の怪物
2006年/120分
出演:ソン・ガンホ、ペ・ドゥナ、コ・アソン など
あらすじ
ソウルの中心を貫く漢江(ハンガン)の河川敷で、小さな売店を営みながら暮らすパク一家。普段と変わらない日を送っていたパク一家の面々だったが、ある日突然、漢江から飛び出してきた謎の巨大な怪物に娘ヒョンソを奪われてしまう……。
ここにきて怪物パニックものです。韓国映画でこういうのってあまり見たことないのでは?
韓国では記録的な大ヒットだったこの作品ですが、日本では低評価です。私は悲しい。
漢江の河川敷で暮らす家族と、川に棲む怪物の戦いを描いたCGバリバリのSF作品ですが、ポン・ジュノらしく苦々しさもあります。
何より素晴らしいのが、冒頭の怪物登場シーン。
いつもと変わらない漢江の河川敷に突然怪物が現れて、人々はパニックになって逃げ惑うというよくある展開なんですが、ロケーションやカメラワークや演出がとにかく最高で、こんなに背筋の凍る悲劇の始まりを見たことがない。
このシーンだけで観る価値アリです。
母なる証明
2009年/129分
出演:キム・ヘジャ、ウォンビン など
あらすじ
貧しいながらも幸せに暮らしていた親子であったが、ある日1人息子が警察に拘束されてしまう。殺人事件の容疑者にされてしまった息子の無実を信じ、孤立無援の母は悲しむ間もなく、たった1人で真相に迫ろうとするのだが……。
障害のある息子に殺人の容疑がかけられて、疑いを晴らすために真相を追求していく母親の物語。
弱者を描いた物語というのがまずしんどいんですが、母親役のキム・ヘジャや息子役のウォンビンの演技が素晴らしくてさらに心にきます。
母親視点で犯人に迫っていくストーリーなので、サスペンス作品としても楽しめます。
切なく、美しく、そして残酷なラストシーンが衝撃的!
スノーピアサー
2013年/125分
出演:クリス・エヴァンス、ソン・ガンホ など
あらすじ
2014年、地球温暖化を防止するため78カ国でCW-7と呼ばれる薬品が散布されるが、その結果、地球上は深い雪に覆われ、氷河期が再来してしまう。それから17年後、かろうじて生き延びた人々は「スノーピアサー」と呼ばれる列車の中で暮らし、地球上を移動し続けていた。列車の前方は一握りの上流階級が支配し、贅沢な生活を送る一方、後方車両には貧しい人々がひしめき、厳しい階層社会が形成されていた。そんな中、カーティスと名乗る男が自由を求めて反乱を起こし、前方車両を目指すが……。
ポン・ジュノが初めてハリウッドに進出した作品。
正直私は戸惑いましたね。笑
ポン・ジュノのあの独特のシニカルな雰囲気とか苦々しさとか、韓国映画の雰囲気にピッタリなので。
でもハリウッドにいってもしっかりポン・ジュノらしさはある作品で。
ソン・ガンホと跳び蹴りが出てくるからというのもあるかもしれませんが。
まあひとことで言えばかなり変な映画です。
世界観が変、登場人物も変。
でも列車の中だけで繰り広げられる、ある意味密室劇なところも面白い。
海にかかる霧
2014年/111分
監督:シム・ソンボ
出演:キム・ユンソク、パク・ユチョン など
あらすじ
不況にあえぐ漁村の漁船チョンジン号の船長チョルジュは、中国人の密航者を乗船させるという違法な仕事に手を出してしまう。沖合で密航船と合流し、密航者たちを乗り換えさせて陸まで運ぶという簡単な仕事のはずだったが、海上警察の捜査や悪天候に阻まれ、思いもよらない事態へと発展していく。
これはポン・ジュノ監督作品ではありませんが、製作に携わっているので入れました。
監督は『殺人の追憶』で脚本を務めたシム・ソンボ。
ポン・ジュノリスペクトでしっかり跳び蹴りもあります。笑
漁船の船長がお金目当てに密輸に手を出してしまい、相次ぐトラブルにどんどん最悪な事態に向かっていくとんでもない映画です。
もうとにかく地獄絵図です。
JYJのパク・ユチョンが出演しているので劇場は若い女性やおば様たちでいっぱいだったんですが、こんな映画だと思ってなかったんだろうなあ。笑
私の隣に座って観てたおば様は、あるシーンで「ウッ」って思わず声上げてましたね。
とにかく重い映画が好きな人にはおすすめです。
まあキム・ユンソクが主演な時点で傑作なのは間違いないです。
オクジャ
2017年/120分
出演:ティルダ・スウィントン、ポール・ダノ、アン・ソヒョン など
あらすじ
韓国の山間の家で暮らす少女ミジャは、大きな動物オクジャの面倒を見ながら平穏な毎日を送っている。優しい心を持つオクジャは、ミジャにとって親友ともいえる大切な存在だった。ところがある日、多国籍企業ミランド社がオクジャをニューヨークに連れ去ってしまう。自己顕示欲の強いミランド社CEOルーシー・ミランドが、ある壮大な計画のためにオクジャを利用しようとしているのだ。オクジャを救うため、具体的な方策もないままニューヨークへと旅立つミジャだったが……。
Netflixオリジナル作品。
カンヌにも出品されましたが、劇場公開映画じゃないということで冷遇されたんですよね。
CGのかわいらしくてちょっと不気味な動物が出てくる寓話的なファンタジーものなんですが、まあポン・ジュノのこと、楽しい冒険映画に仕上げてくれるわけありません。
簡単に言うと食肉をテーマにした作品ですね。
ハッピーエンドではあるけど後味は最悪という珍しいパターン。
個人的にはポン・ジュノで一番毒が効いている作品だと思っています。
観たい方はNetflixでご覧ください!
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『パラサイト 半地下の家族』を配信しているVOD一覧
『パラサイト 半地下の家族』 監督:ポン・ジュノ キャスト:ソン・ガンホ、イ・ソンギュン、チョ・ヨジョン など あらすじ キム一家は家族全員が失業中で、その日暮らしの貧しい生活を送っていた。そんなある ...